徒然の書

思い付くままを徒然に

2017-01-01から1年間の記事一覧

除夜の日に思う

除夜作 高適 旅館寒灯独不眠 客心何事転凄然 故郷今夜思千里 霜髪明朝又一年 旅館の寒灯に一人眠らず 客心何事ぞ転た凄然たる 故郷 今夜 千里に思う 霜鬢 明朝 また一年 宿屋の寒々とした灯の元、ほとり眠られぬ夜を過ごせば、如何したことか旅の思い弥々う…

正月は冥土の旅の一里塚

子供の頃はお正月はただ楽しいだけの年中行事であったが、一里塚を何十回も通り過ぎてくると、楽しいとばかりはいっていられない。 子供ではないが、あといくつ寝たら・・・・・の時期になると、世は寒々としたものばかりに見えてくる。 一休宗純でなくとも…

水天一色、上下空明

秋の澄み切った真っ青な空。 夕暮れが近づくにつれて、真っ青な空が群青色に変わるとともに、山の端に添って夕焼けの空に変わりつつある。 枕草子の春はあけぼの、やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる、という…

鷹山の見た人の心

今から二百五十年か六十年前、江戸中期の頃、今の日本の様に膨大な借金を抱えてにっちもさっちもいかない藩に婿入りした男がいた。 その藩はほんの僅か数名の家老と言う為政者によって牛耳られ、民は己らの食うものや種もみまで税として巻き上げられて疲弊し…

縁起物の植物 万両

先日園芸コーナーで満了の鉢物を見つけて、写真を撮り始めたころの事を思い出していた。 滅多に買うことも無いのだが、興が湧いて鉢物を買ってくると、その花などに似合いそうな背景の処へ持ち出して画作りをする楽しみもある。 それまではつくづくと花など…

逢魔が刻

長雨が続いたその一刻の晴れ間に、久しぶりに日没の残照を見た。 濃紺に沈んでゆく空に真っ赤な残照が実に新鮮に我が目に飛び込んできた。 晩秋のこの時期、この残照が消えると漆黒の闇が訪れる。 そう、昔から逢魔が刻と言って、魔物が跳梁する時刻になりつ…

梅雨ならぬ秋の長雨の晴れ間

梅雨の晴れ間ならぬ秋の長雨のたった一日だけの晴れ間に出かけた公園の誰も居ない真新しい橋は如何にももの寂しい。 草臥れてしまった秋桜の畑に人は群がっていたが、それもほんの僅か。 撮るものも無く、たったカメラ一台と一本の交換レンズを入れたバッグ…

天上の華、彼岸の華

彼岸と言うのは彼の世の事。 アケロン川日本でいえば三途の川を渡った、彼の地の事である。 暫く行くと地獄の門と言う巨大な門が見えてくる。 この門の上に書かれた言葉がある。 この言葉訳者によって全く違う。 そのうちの一つを記してみると・・・・ われ…

地球も日本も人口過多~間引きの論理~

この地球上で、昔から人口が過多に成った時、神がいや自然が様々な形で人間と言う生き物を間引いてきた。 疫病、災害、戦争、等々 だがその間引きを、不遜にも人間が行おうとしている国がある。 お上に逆らうことを潔しとしない民の心を利用して。 さて、老…

地球も日本も人口過多

地球が生まれて46億年だといわれている。 その頃はまだ生き物の徴候すらなかったのである。 人類が生まれたのは五百万年前だといわれている。 人類と言うよりもチンパンジと分岐したアウストラロピテクスと呼ばれる猿人なのだろう。 其れから進化を続けて現…

小学校門前の花壇

今の時代の余裕なのだろうか、子供たちの情操教育の一環なのだろうか、入り口から校庭に付近には季節の花木が数多く植えられている。 気に止める事も無い花木ではあっても、子供たちの情操には大きく影響しているであろうと思う。 この門前の小さな花壇には…

モンテスキューが笑っている その参

議会の立法を、憲法を適用する裁判所の下に置いたのが、アメリカ流の違憲立法審査制度である。 アメリカでは違憲立法審査権によって、憲法の番人としての司法の優位が確立し、法の支配が守られると考えられている。 日本は自然法思想に基いた日本国憲法で、…

モンテスキューが笑っている ~その弐~

抑々権力の分立と言う制度が何のために世に現れたのか、その真意をつかんでいる政治屋はどれ程いるだろうか。 政治屋と言うより我が国の国民と言い換えた方がいい。 議会と言うものが何故存在するに至ったのか、権力の分立などと言うものは誰がどの様な目的…

モンテスキューは笑っている

日本各地の夏祭りの人々の、屈託のない笑顔を見ていると、日本って平和なんだなあ~って、つくづく思う。 というより、日本人が古来から搾取され続けてきたことに鈍感になってしまって政治への不信など全く感じていない、幸せそのもののように・・・・。 現…

世の乱れ

或る小説を読んでいる時、こんな文章に行き会った。 乱世の乱れを嘆いた応仁記の応仁の乱前夜の記述である。 ・・・・・・ 天下は破れば破れよ、世間は滅ばば滅びよ。 人はともあれ我が身さえ富貴なれば。 他より一段瑩羹様に振る舞わんと成り行き・・・・…

人間の進化って何・・・

毎年同じ処へ同じ様に出かけていても、ファイルに残る画は殆ど同じようなものばかり。 同じ人間が、何の進歩も無く同じ様な感性で花を眺めれば撮れる画も同じになるの理の当然な事。 年古ごとに幾らかでも物の見方が変わるのが至極あたりまいなのだが、一向…

親の恩は海よりも深く、山よりも高し

諺ともいえない文言であるが、この言葉は世界共通の観念と言っていい。 英訳すると It's deeper than asea and higher than a mountain. とでもなろうか。 子を慈しむ親の愛や思いは、何事にも勝り代えがたい。 愛する人を思う気持ち、尊敬するという人間の…

古代蓮とは言うけれど・・・

古代蓮とはいうけれど、能書きによると三粒の蓮種が見つかったということらしいが、 この頃では懐疑的になっている。 発見された種自体を鑑定して、時代を推測したわけではない。 発見された種の周りに古代の何かがあったというだけのこと。 何かの拍子に、…

人間のあり方

TVも見ない、新聞も読まない、殆ど外界との情報を断ってしまってからもう十年以上になる。 必要な外界の情報は時折見るPCからの情報だけであるが殆ど不自由はしない。 三面記事の殺伐としたものは心を乱す大本になる。 経済も、政治の茶番劇も必要ない。 先…

都ワスレ

気の遠くなるような古い時代から、朝廷貴族と言うのは民に寄生して生きてきた人種。 それでもなお一層贅を尽くすために地位を上げることに目の色を変えていた。 ところが人間と言う生き物、他人の事が気になって、出る釘は打たれるというように、讒訴懺悔が…

八重の桜花

花見で有名な秀吉の花見は吉野の山か醍醐の花見。 この頃の桜の種は山桜が圧倒的であったのだろう。 山桜はソメイヨシノなどにさきがけて、咲き始める吾がとてもこの鵡花である。 その殿を受けて咲くのが里桜と呼ばれる八重の桜である。 里桜は、今でいう園…

有意義とは何ぞや

人間と言う厄介な生き物。 知と言うものを持っているが故にその厄介さは止まるところを知らない。 人間の心は天の心を知るよりも難しい。 もし人間が、己の生を楽しむことを最上の願いとするならば、今の世の安らかに生を楽しむことが適わぬ社会の現実は人間…

菜根譚

菜根譚と言う書がある。 この菜根と云うのは人よく菜根を咬みえば、則ち百事為すべし、とあるに基くと言う。 この語は朱子の小学、に収録されていて、某、今人を観るに菜根を咬むあたわざるによって、その本心に違うに至るもの衆し戒めざるべけんや、と註記…

諸子百家 その五

荘子の思想 その壱 論語や荀子はそれぞれ学而篇、勧学篇で学問の重要性を説いている。 しかし道家はこれとは全く逆の教えを説いている。 この道家は老荘に代表される道教思想は文明化に対する鋭い見方がある。 社会に恩恵をもたらしたとされる文明こそが、人…

諸子百家 その四

人を信ずれば、人に制せらる。 人間不信の哲学が韓非の思想の中枢である。 政は仁、義などと言う曖昧な主観的ものではなく、法、刑罰と言う客観的なものをによるべきであると考えた。 法治による政は血縁の親疎、あるいは身分の貴賤等々に関係なく、すべて法…

韓非とマキャベリ

韓非とマキャベリ 歴史は変化するという史観、それに伴う政治の変革は不可欠だという思想。 それまでの儒教の世界の思想を根底から覆し、歴史の変化に進歩の概念を持ち込み、政治変革をもたらし、新しい秩序を作り上げた政治学者と謂えよう。 韓非なるもの、…

諸子百家 その参

韓非子は戦国末期の人物で、彼の書いた著書を始皇帝が読んで、彼に会えれば死んでもいいとまで言わせた男。 当時の儒教は上流階級の人物によって読まれたものであるが、彼らにとっては韓非の思想は理解できなかったであろう。 彼らが韓非を理解したのは全く…

諸子百家 その弐

荀子は儒家の部類に入るのだが、孔子や孟子の様に、彼らの言う天等と言うものを全く問題にしていなかった。 天に人格神的な性格は全く認めていない。 堯瞬から文王へと渡った周以来の天が人間を支配し、それが天命となって、人間共に降されるという思想は荀…

諸子百家

中国の黎明期、伝説の黄帝からかの尭舜禹の王朝を経て、殷の紂王を滅ぼし、新たな王朝を立てたのが周である。 この周王朝も時がたつにつれて、異民族の攻勢に合い、封建諸侯との折り合いも悪化し、内部矛盾が強まってくる。 異民族の犬戎の侵攻で、周王が殺…

孔子の人間像

人知らずして慍水・・・学而篇 この冒頭の一文は孔子が己自身について語ったものと言うことが出来るのではなかろうか、という人もいる。 この一文を冒頭に持ってきた弟子たちの才の優れた様子が手に取るようにわか この一篇の最後の章、十六章には人の己を知…