徒然の書

思い付くままを徒然に

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

雑感~非人情の世界~その弐

もう一つの王維の・・・・ 王維の詩「竹里館」の題の一節 独坐幽篁裏 独り坐す幽篁の裏 弾琴復長嘯 琴を弾じて復た長嘯す 深林人不知 深林人知らず 明月来相照 明月来たって相照らす 独り竹やぶに静かに坐って、琴を弾きながら詩歌を詠う。 奥深いこの林の…

雑感~非人情の世界~その壱

もう使い古されて、手垢がべったりついた草枕の最初の文を読むと、過ってはこれからどんなふうに展開していくのだろうと興味森々だったが・・・・・この小説、何とも奇妙な小説ではある。 漱石が何を言いたかったのか、何十年も読んでいても、未だに判らない…

孫子と老子の戦争観

老子の特徴の一つは弁証法的思考にある。 老荘の思想は万物は固定したものではなく、変化、発展する。 従って、一切の物や現象は変化、発展の目で捉えなければならない。 孫子も戦争という現象をこの弁証法的思考で捉え、戦争と言うものの在り方を考えている…

孫子の兵法

遣唐留学の吉備真備が多くの教書と共に孫子の兵法書を持ち帰って以来、兵法書に価値を見出した者たちによって用いられてきた。 古いところでは平安時代初期に坂上田村痲呂が蝦夷と戦った時にこの兵法を使ったと言われている。 兵法に限らず如何なる名著も、…

論語に思う

大學、中庸、孟子と並ぶ四書の筆頭としての古典であることは殆どの人が承知している。 この論語も奈良、平安の頃の遣唐使によって、もたらされたものであるが、その当時、朝廷、公家どもによって研鑽されたという話は聞いたことがない。 知る人は知っていた…

史記 白夷列伝の意味するもの

水戸光国が子供の頃から心に掛かっていたのは、六つ違いの兄頼重を差し置いて、世子になったことであった。 世子決定の時、兄頼重が重病を患ったということを知らされただけで、その理由がわからず、年ごろになっても、心にわだかまりがあったためか、傾奇者…

古事記物語その五

記紀は七世紀に天武に命じられて書かれた、創作物であるということをしっかりと念頭に置いて読む必要がある。 豪族各家から、膨大な資料を提出させ、それに基づいて書かれたとしても、その史料に偏向を加えて全く違ったものを作出すればもうそれは歴史ではな…

古事記物語その四

日本神話において、国譲りは葦原中国平定を成し遂げた大国主神から、テンテル一族が宥めすかし、脅迫しながら地上げする物語。 高天原でスサノをは散々拷問されて、黄泉の国と言われる出雲に追放されてしまった。 このスサノオがもともと出雲の神であって、…