徒然の書

思い付くままを徒然に

2016-01-01から1年間の記事一覧

梅一輪

索漠とした、景色の中に、僅かに綻んだ梅一輪。 こんな光景を見ると何故か心にじぃ~ンと響くものがある。 本年一年、拙い文にも拘らご訪問いただきありがとうございました。 もう温めてるものもほとんどなくなりました。 本年の最後の画になります。 皆様に…

灯篭への興味は尽きない。

お寺へ行くと必ずあるのが灯篭。 そんな灯篭に気を留める人は少ないが、それもそのはず、もとはと言えば、原形は中国大陸から朝鮮半島を経由して仏教とともに伝来した。 その姿や材質は様々。 材質の違いから木灯篭、陶灯篭、、石灯篭などがあり、形状の違い…

聖徳太子に嫉妬して

昔から様々なお札の顔になった聖徳太子。 千四百年に亘って、多くの人々から尊崇を集め、太子信仰は現代の今も我々に大きなロマンを与えている。 太子は用明大王の皇子として生まれ、厩戸の皇子とか、豊聡耳皇子と呼ばれたように小さなころから耳聡く、聡明…

太平記の世界 その四

太平記は序文から天皇の帝徳を問題にしている。 帝は君主としての徳を失い、下々は臣下の礼を失っていた。 太平記が天皇と武臣の二極を塾にして構成されている以上、天皇が武臣を滅ぼして、天皇の親政を目論んだ後醍醐は天皇の徳を有するものとは言えない。 …

多摩御陵

黄色く色づいた甲州街道の銀杏並木が延々と続いている光景は実に美しい。 その中に多摩御陵の文字が見えて、何故かちょっと寄ってみたくなった。 以前一度、来たことはあるのだが、何時の頃だったかははっきりとは思いだせない。 恐らく、学生の頃だったよう…

六地蔵

今では田舎道とは言ってももう見る事もなくなったのであろうが、もう随分昔彼方此方の石仏を撮り歩いた頃、村の入り口などに六地蔵や村の辻に佇む地蔵尊を見ることが出来た。 六道のそれぞれにあって衆生を救済するという六体の地蔵菩薩。 六道思想の発達に…

太平記の世界 その参

太平記は全四十巻になるというが、書き継がれながら義満の頃に、その政治体制の下で室町幕府の創成以来のものとしてできあがったものであろう。 恐らく室町幕府の正史としての扱われた。 この太平記は至る所で平家物語を踏まえているところが見える。 太平…

高幡不動境内

高幡不動尊七五三の日に・・・・ 菊まつりの真っ最中菊を撮りながら、・・・・ この前来たのはもう十年以上も前になるだろう。 高幡不動真言宗智山派別格本山。 京都智積院を総本山とする関東屈指の古刹であり、高幡不動として広く知られているが、関東三大…

太平記の世界 その弐

新田軍を箱根竹の下で破った足利軍は、36年(延元1・建武3)正月に入京したが、京中合戦で敗れて後醍醐に追われて西走し九州へ逃れた。この途中、播磨室津の軍議で一族および有力武将を四国・中国の各地に配置することを決定し、備後鞆津で持明院統の光厳上…

太平記の世界 足利尊氏悪人と呼ばれて その壱

太平記自体を語ろうというのではない。 太平記に纏わって、現代においても様々な問題が起って居る。 それを思いつくままに書き連ねようと思った次第で、太平記とは全く関係ないように思ってもどこかで繋がっている、そんなことを断片的に思いつくままに書い…

弓削の道鏡 その四最終

清磨が持ち帰った結果から見ると、八幡神が神託を変更した結果となるが、果たして本当に神託が変更されたのだろうか、清麻呂の報告を確認した事実はない。 現代の様な通信手段が発達していない、時代の使者の返答に疑惑があったとしても、おいそれとは確認…

弓削の道鏡 その参

この時代の貴族などと言われる、公卿たちの頭の程度は密告、讒訴、讒言による保身については優れてはいるのだが、いざ問題が発生した時に適切な対応する能力は全く欠落していたと言っていい。 この後にも陸奥の国に産出し始めた金の略奪を試みるのだが、蝦夷…

犯罪に於ける科学捜査 その参

裁判に於いて鑑定を依頼する場合においても、鑑定の依頼の仕方によっては、その結果は逆を示すことだってあり得るだろう。 法医学の知識がないために、鑑定結果を本当の意味で理解できない者が寄り集まっていては、鑑定は意味を為さないという事も有り得る。…

弓削の道鏡 その弐

その奈良朝時代聖武は恭仁京、紫香楽恭、難波京などへ遷したが主な都は平城京であった。 その平城京によって象徴される奈良朝時代は血で血を洗う凄惨な権力闘争の時代であった。 藤原の邪魔なものを排除する常套手段は陰険姑息な手段を弄して、長屋王を謀反…

犯罪に於ける科学捜査 その弐

科学の発達は目覚しくアメリカあたりで開発された科学捜査の研究技術が我が国にも取り入れられているのだろうが、人間自体を科学する捜査は医学が必要なだけに、我が国でも太刀打ちできるだろうと思っていたが、ドラマを見る限り我が国の人間を対象とする科…

弓削の道鏡 その壱

道鏡が何時生まれたのか、道鏡と言う法名をもらう前の名前も解らない。 系譜なども確かではないが 河内国若江郡の出で、道鏡の父は弓削村の長であったが無位だったという。 俗姓は弓削連。物部弓削大連守屋を遠い祖先とする。 続日本記などを見ても道鏡に関…

犯罪に於ける科学捜査 その壱

TVっていうものを見ない。 家からTVが姿を消してから、十数年になる。 あの馬鹿馬鹿しい番組にほとほと愛想が尽きたのが本音であるが、明るいニュースならそれで世の中うまく回っているのだから結構な事で敢えて見るまでの事もない。 ところが政治にして…

ギリシャ神話の死生観 その弐

取りとめのない話を断続的に書いてきたが、ギリシャでは死についてどの様に考えていたのだろうか。 神は永遠で人間は死するという一線は厳として守られているのだが、人間は死後の世界についてどのように考えていたのだろうか。 誰であろうと古代の人々であ…

ギリシャ神話の死生観 その壱

如何に科学が発達したとは言っても、古いことは何も分かってはいない。 ただ推測して判ったような心算になっているだけの事である。 宇宙はビッグバンによって形成されたとは言っても、ビッグバン以前はどの様な状態であったのか、何も判らない状態の中で、…

司法の独立などあり得ない

先日コメントを戴いた返事を書いている内に随分と長いものになってしまいました。 返事に代えて・・・・ 司法権の独立、云われて久しい。 だがどの様な意味で使われているのかは知らない。 裁判官も官僚制度の一員であり最高裁の事務総局に統括されています…

先入観

先入観って正確にはどの様な意味なのだろうと、広辞苑で探してみると、次のように書かかれていた。 始めに知ったことによって、作り上げられた固定的の観念あるいは見解。 それが自由な思考を妨げる場合に云う。 人間の精神活動はとても面白く、何の変哲も…

はじまりのはじまり

何事にも始まりはある。 宇宙の始まり。 地球の始まり。 地球に現れた様々な生き物の始まり。 その中の我らに一番身近な人間の始まり。 これらの始まりについて、どれもこれも当たり前の様に結論づけられて、疑いの余地がないように書かれたり言われたりして…

情けは人のためならず・・・・

項羽と劉邦や平家物語を読むと必ずと云っていいほど思い起こすのは情けを掛けるという事・・・・・ 情けは人の為ならず、この言葉をどのように解するはは大変難しい。 情けは人の為ならずとは、人に情けをかけるのは、情けをかけた人のためになるばかりでな…

古代蓮と言われて・・・・・

泥田の中から美しい花を咲かせる、という言葉をよく聞く。 仏教に関係あるものが言い出した事だろう。 古代蓮と言われるのは、弥生の頃に栽培して蓮根を採取していたのだろうか。 このハスの原産地は何処なのだろうか。 この弥生の頃、中国や朝鮮半島から多…

江戸の似非学者吉田松陰

松蔭は私塾、松下村塾で、後の明治維新で重要な働きをする多くの若者を育てたことになっている。 だがその実像は全く違うと言っていい。 一言でいえばテロリスト養成学校とでも云えばいいのかも知れない。 それ故か、花見に浮かれる江戸の町人たちを見て、蔑…

近くて遠いは明治の世

古本屋をぶらついていると日本史の江戸末期から明治初期の部分を収載したのを見て、読んで見ると結構知らないことが実に多い。 明治維新はは四民の農工商の人々には全く関知しないところで、下級武士や足軽、中間など武家に係わりのある者たちが起こした騒動…

ユートピア

過酷な人民支配が行われる社会では、持ち上がってくるのがこの馬鹿げたユートピアなどと言うものを考え付くのであろう。 だが多くの場合、人間と言う生き物の正体を全く理解しないところから始まっている。 それが西洋における人間の考える限界なのであろう…

梅雨の晴れ間の楽しみ

鬱陶し梅雨も、それなりに楽しみがある様だ。 この梅雨という時期が全くないと日本の四季も何だか侘しい様な気がする。 この梅雨の雨も、結構人間様の心に潤いを与えてくれているのかも知れない。 梅雨の晴れ間を心待ちにしながらどんよりとした空を眺める…

司馬遷と云う男~史記~ その壱

司馬遷が初めて史記の執筆に掛かったのは前百三年。 宮刑に処せられて、宦官になったのが前九十八年。 その後中書謁者令に任命。 史記を仔細に検討すると、史記は世に言われる程、史実に忠実な、優れた歴史書とはとても思えない面が随所に現れてくる。 単な…

書きかけの原稿 人生論について

人間は肉体と肉体に宿る動物的意識を理性に従属させること、言い換えれば自我を否定して、愛に生きることによって、同胞或は生存競争の悲劇から救われるばかりか、死の恐怖からも救われる。 何故なら、その時個人の生命は全体の生命のうちに溶け込んで、永遠…