徒然の書

思い付くままを徒然に

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

衣冠の盗~菜根譚の言葉~ 

書を読みて、聖賢を見ざれば、鉛槧の傭となる、官に居て人民を愛せざれば衣冠の盗となる。 学を講じて躬行を尚ばざれば、口頭の禅となる。業を立てて稲穂を思わざれば眼前の花となる。 本を読んだら聖賢の心に触れなければ、ただの文字の奴隷。 衣冠とは高い…

マスクの夜話~コロナも人によっては福の神~

数年前、入院中の人の見舞いに出かけたところ、入り口で、マスクを購入するようにとの指示があり、自動販売機でマスクを一袋200円なりで買わされたが、十枚も入っていた、一枚あれば足りるものを10枚セットで買わせる、こんなところで利益を上げようとしてい…

人の情はふわりふわり空の彼方へ

人の情は紙風船。 漱石は情に竿を挿せば、流されると書いた。 この意味は果たしてどんな意味で書いたのだろう。 この書が世に出て以来この言葉の意味をめぐっていろんな考えを見てきただろう。 漱石が思い描いた情景を適切に看破したものは一人としていない…

閑と忙

忙しく働いていた人間がある日突然働かなくなった、世にいう定年である。 忙し過ぎるくらいに働いていたものにとっては、突然何もすることが無くなったとすれば、おそらく虚脱状態に陥っても不思議はない。 何もすることのなくなった人間は暇がありすぎると…

人生はただの百年のみ~無駄に過ごす事なかれ~

紀元前二世紀の漢代に書かれた道家系の書に淮南子というのがある。 その一節に次のような言葉がある。 私という人間が生まれるまでにこの天地は無限の時間を経過している。 私が死んだ後もまた無限の時間が流れるであろう。 してみれば私という人間は無限の…

人間の本性~欲望の生きがい~

人間は誰でも生まれつき欲望を持っている。 たとえ聖人であろうと、例外ではない。その欲望はやり方によっては制御することができる。 荀子という人の考えはこれで貫かれている。 人間の天性は悪である。善なる性質は人為の所産に過ぎない。 人間は生まれつ…