徒然の書

思い付くままを徒然に

除夜の日に思う

除夜作  高適 

旅館寒灯独不眠
客心何事転凄然
故郷今夜思千里
霜髪明朝又一年
 
旅館の寒灯に一人眠らず
客心何事ぞ転た凄然たる
故郷 今夜 千里に思う
霜鬢 明朝 また一年
 
宿屋の寒々とした灯の元、ほとり眠られぬ夜を過ごせば、如何したことか旅の思い弥々うらさびしさを増すばかり。今宵、千里を隔てて、故郷を思いやっている私だが、明日の朝になれば、白髪の増えた鬢は又一つ年を取っているのだ。
――唐詩選 岩波文庫  前野直彬注解――
 
中国、唐代盛期の詩人。「こうてき」とも読む。字は達夫。滄州の人。豪放な性格で、若いときには生業に従わず、河南に放浪して李白杜甫と交わった。
有道科に推挙されて封丘(河南省)の尉となり、安禄山の乱後には彭州、蜀州の刺史として、成都に流れてきていた杜甫と旧交を温めた。
その詩は豪壮にして沈痛、辺境の苦しみや戦争の悲惨さを詠じた辺塞詩に長じ、岑参とともに盛唐詩の一面を代表する。――コトバンク日本大百科全書の解説――
 
若い頃は自由奔放に流離ったり、認められて幕僚におさまったり、或は都に出て諌義大夫に収まったり波乱に富んだ人生を送っていた。晩年になって詩作を志尻泊や徒歩とも親交を結んだと言われている。
そんな男がこの切羽詰まったような詩を詠んだ、それが除夜だけになおさら侘しさを感じるのかも知れない。
遠く故郷を離れて一人離れて眠れぬ除夜を過ごす寂しさはたとえようも無かろう。
太平に現を抜かす我が国の民は今夜も紅白とかいう白痴番組にのめり込んでいくのだろう。
何の努力も無しに膨大な視聴料と称する金が流れ込み、使い放題に使って作られた番組に果たして公共放送という矜持があるのだろうかと思う様なものが随分とある様な気がする。
我が家からTVというものが姿を消してからもう十年以上になる。
だから番組の詳細は判らないが、出先で見る番組を見る限り、こんな番組に高い視聴料を払わされたんでは国民もたまらないなって思う事が度々。
地域によっては視聴もできない様なワンセグの電波を飛ばして、携帯電話から視聴料を巻き上げようと姑息な策を弄している姿はまた何とも卑屈な輩の考えそうなことだと思えてならない。
それをまた裁判で敗訴した放送屋を政治屋の閣僚が当たり前のごとく、懸命に援護しているのだから日本と言う国は平和なんだなあ~って思う。
平和すぎて呆けてしまっているのかもしれない。
こんな連中を政治の世界に送り出して何とも思わない国民と言うよりその政治屋の選挙区の民衆の良識ってどうなっているのだろうって思う。
契約約款と法律の違いも判らない政府の閣僚が懸命に放送屋を弁護している姿を見ると哀れと言うほかはない。
 
 
 

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この鐘楼から今夜は鐘の音が流れるのだろうか一度は聞いてみたい鐘の音ではある。
 
 

今年は、拙いブログに訪問いただいた方々には御り申し上げます。
最後の一里塚になるのか、また次の一里塚を見ることが出来るのか、はたまた鐘の音を聞きにはるばる京都まで出かけたことを思い出しながら、今年は一里塚を超えれれば幸いです。


皆様にはよいお年を迎えられますようお祈り申し上げます。



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