徒然の書

思い付くままを徒然に

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

除夜の日に思う

除夜作 高適 旅館寒灯独不眠 客心何事転凄然 故郷今夜思千里 霜髪明朝又一年 旅館の寒灯に一人眠らず 客心何事ぞ転た凄然たる 故郷 今夜 千里に思う 霜鬢 明朝 また一年 宿屋の寒々とした灯の元、ほとり眠られぬ夜を過ごせば、如何したことか旅の思い弥々う…

正月は冥土の旅の一里塚

子供の頃はお正月はただ楽しいだけの年中行事であったが、一里塚を何十回も通り過ぎてくると、楽しいとばかりはいっていられない。 子供ではないが、あといくつ寝たら・・・・・の時期になると、世は寒々としたものばかりに見えてくる。 一休宗純でなくとも…

水天一色、上下空明

秋の澄み切った真っ青な空。 夕暮れが近づくにつれて、真っ青な空が群青色に変わるとともに、山の端に添って夕焼けの空に変わりつつある。 枕草子の春はあけぼの、やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる、という…

鷹山の見た人の心

今から二百五十年か六十年前、江戸中期の頃、今の日本の様に膨大な借金を抱えてにっちもさっちもいかない藩に婿入りした男がいた。 その藩はほんの僅か数名の家老と言う為政者によって牛耳られ、民は己らの食うものや種もみまで税として巻き上げられて疲弊し…