徒然の書

思い付くままを徒然に

日本の神話

 
日本の神話は皇室系のものと出雲系のものがある。
出雲系の神話は面白い。
高天原を追われた素戔嗚が降り立った先は出雲の肥の河の畔・・・・・・
ここから彼のよく知られた、八岐大蛇退治の神話が始まる。
素戔嗚が出雲の祖紳とされる理由もここにあるのであろう。
酒を飲ませて、酔ったところを切り刻むのであるが、古典の描写って洋の東西を問わず、とても残酷な表現を好む様である。
その時尻尾から出てきたのが有名な草なぎの剣。
この草なぎの剣を追い出された天照に届けると言うのも、また異なことなのであるが、これが神話の面白いところなのであろう。
この素戔嗚と言う男、余程抜け目のない男であったのだろう、困っていた老夫、老女に、どうせ生贄にされる乙女なら、大蛇を退治してやるから、俺に呉れろとでも言ったのか、乙女をちゃっかりと自分のものにしてしまった。
この乙女が、櫛名田比売日本書紀には奇稲田姫と記している。
この六世後にのちに大国主神になる、大穴牟遅神が出ることになる。
ここでも書記とは違いが出ている。
この八岐大蛇退治の神話事態とても物語的にできているのだが、仔細に文字裏を読んでいくと実に様々な事が含まれている。
この大蛇自体は肥河の水霊をいみし、櫛名田は水神の妻となる巫女であった。
その姫が大蛇にのまれると言うのは、肥河が氾濫して、流域の田畑が流される恐ろしさを、神話として語ったものであろう。
河の水が赤いのは鉄分を含んでいるとも、剣が尾から出たのも、河の源流付近には剣を作る砂鉄が出たとも考えられよう。
櫛名田を妻とすることは川の氾濫を止め、周辺の田畑の安寧を齎したことを意味するのであろう。
ほんの僅かな言葉から、様々な事が思い浮かんでくるのも、神話を読む楽しみの一つであろう。
素戔嗚はこの地に、安住する宮を作るのであるが、その時に詠んだ有名な詠がある。
 
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
 
この時、あの老夫を呼んで、汝わが宮の首に任けむ、といった。
この老夫、名を稲田宮主須賀之八耳の神と呼ばれるようになった。
神話とも知らずに、小さなころに読んだ物語が様々な意味を含んでいるのを今頃になって漸く気が付くっていうのも、何とも面映ゆいものである。
 
 
 
 
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