徒然の書

思い付くままを徒然に

ギリシャ神話と星座

 
今我が国の都会と言われるところで、夜空を見上げても、見えるのは恐らく月だけ。
運が良ければ宵の明星に出合うかもしれない。
明けの明星を見たくてもその頃は白河夜船であろう。
子供の頃、夕涼みがてらに屋根に茣蓙を引いて寝転んで、夜遅くまで満天の星空を眺めていたものだ。
とは言っても星座など分かるわけもなく、知っているのは北極星と北斗七星だけであった。
北斗七星が大熊座などと言うことは知る由もない。
まして、小熊座のしっぽの先端が北極星だとは尚更の事である。
けれども天の河だけはそれは美しい河の流れの様に空に浮かんでいたものだった。
何年も後になって星占いなどと言うのは聞いたことがあるが、占いの類は一切興味がないし、信用もしない。
ところが、ギリシャ神話を読むようになって、星座と言うものが神話に関係していることを知ったのだが、その星座が何故占いに結びつく様になったのか判らない。
 
子供の頃は星空を眺めるのがとても好きだった。
何も考えない、ただ眺めるだけ、あの小さな明滅する空一面に砂を敷き詰めたような夜空の星が・・・・・・
その時は星の名前はおろか星座が形作られているなどと言うことは知る由もなかった。
北斗七星だけはひしゃくの形をしているとは知っていたが・・・・・
 
昨今は宇宙ブームと言うのか、我が国でも宇宙飛行士などと言って、持て囃されている様だが、ここでいう宇宙などはたかだか地球から2~3百キロ離れた空を地球に添ってただ回っているだけのことに過ぎない。
23百キロと言えば東京を起点に列島を横断して日本海側に出るくらいの距離でしかない。
あの雄大な星空の天の川が流れ、様々な星座を描く宇宙空間を思うと、宇宙船などと言うものは、顔の回りを飛び回る蚋でしかない。
 
ン何もくだらない宇宙衛星を書くために始めたのでないので、ここでギリシャ神話にまつわる星座を眺めてみよう。
 
天空に輝いて天の北極として、目安になる北極星が含まれているのは小熊座。
さすがに親子と言うべきか、いずれも七つ星でひしゃくの形をしている。
これなどは、色事師ゼウスと悪の権化ゼウスの妻だというヘラ。
ヘラなどと言う女、夫の権威をかさにきた鼻持ちならない女。
神と言うのもおこがましい、こやつら二神の女狂いと嫉妬の果ての悲劇と言える。
このゼウスと言う男、女と見れだ見境なく、襲い掛かり、はては女を強姦し、孕ましてしまう。
この犠牲になったのが女神アルテミスの従者、妖精のカリスト
ゼウスの毒牙にかかり、孕まされて、子を産まされる。
悪女へらはそれを知ってカリストを熊にしてしまう。
子供の方は人間として成長しているが、大きくなって森に狩りに来たときカリストは息子を見て駆け寄ろうとするが、息子は熊が襲ってくるものと思い弓で射ようとする。
それを天上で見ていたゼウスが慌てた。
ゼウスは己のしでかしたことで、息子が母殺しをしそうなのを止める為、熊となっているカリストと息子を天上にひき上げ、両方を星座にした。
それが大熊座と小熊座だという。
これを見た悪女の執念と言うか、横暴と言うか、そのしつこさは見上げたもので、嫉妬の鬼となった。
星座は海に沈んでいくものだが、それを永久に沈まず休むことをできなくしてしまった。
その為カリストは何時までも空にとどまらなければならない様になってしまった。
この星座を見るとき森の妖精カリストの姿を思い、その悲しみは如何許りかと思う。
あの大熊座を見る時、切なく、可哀想そうな話を思い出してしまう。
 
子供のころからいつも思うのは宇宙ってどんな形をしているのだろうと・・・・
誰に聞いても納得できる答えをもらったことがない。
宇宙っていうのはいまだに良く解らない。
その判らない宇宙って言葉を多くの人々が平然と使っている。
そんな連中に聞きたい宇宙って何、本当にわかってるのって・・・・・
 
太陽系なんて宇宙のほんの一部、・・・・だと思っているのだが。
地球と太陽を結んだ線に垂直に宇宙と言われる空間に飛び出すと、何処へ行くんだろうと、子供のころから思っているのだが、今でも判らない。
ビッグバンではじけて未だに膨張を続けているというが、予想もできない変化があるかもしれないなあ~なんて思う事もある。
ビッグバンで爆発して宇宙というものができた、未だに収まっていないのか、爆発の余波がいつまで続くんだろう。
 
それはさて置き、星座とギリシャ神話、何か夢のある様な物語が出てくるのかも知れないが・・・・・
女誑しと言うか、強姦魔と言うか、ゼウスと悪女セラが出てくるようでは、夜空に輝くロマンティックな星座の物語を艶消しにしてしまうなあ~って思うのである。
星座に限らず,星々とギリシャ神話とのかかわりは深い。
太陽系の惑星の中でも木星は飛びぬけて大きい。
古代の人々が木星に付けた名前がギリシャ神話の女誑しゼウス、その木星に衛星が十六個あるという。
そのほとんどはルネッサンス時代以降に発見されて、ギリシャ神話に関わりのある名前を与えられた。
十七世紀にガリレオが発見した四つの衛星がある。
イオ、エウロペカリスト、ガニメデでこれはギリシャ神話のゼウスが愛した、女たちや少年に因む命名であるという。
ここではイオだけについてその神話を述べてみよう。
イオはアルゴス地方の河の神のむすめ。
彼女はよりによって悪女ヘラに仕える巫女であった。
女誑しのゼウスが目を付けない筈はない。
イオも孕まされ子を産んでいる。
たちまちヘラに露見してしまうが、イオの体は牝牛に変えられてしまう。
これはゼウスがやったのか、ヘラがやったのかははっきりとはしない。
性根の曲がったヘラはアブを送る。
牛の姿のイオはこのアブに追われる様に彼方此方を彷徨う。
イオが駆け抜けた入江はイオニア海と呼ばれ、通過した海峡は牛の彷徨に因んで、ボスポロすと呼ばれる。
因みにボスポロストはメス牛の渡しを意味するという。
ヘラの醜女たるゆえんは己が生んだ子が、生まれつき足が不自由であったと言って、ヘラに依って、オケアノスに投げ捨てられてしまう。
その子がへパイストス。
それを拾って育てたのが海の女神テティス
 
ついでだから、ヨーロッパの名前の基になったというエウロペについても書いておこう。
エウロペフェニキアのアゲノールのむすめ。
海辺で遊ぶエウロペを見てまたもや淫乱の虫が頭をもたげて、誘拐することを計画、白い牛に変身エウロペを乗せて、海上を走りクレタの島へ・・・・
相も変わらず精力絶倫と見えて、正体を明かすとエウロペと交合し、やがて、ミノス、ラダマンテュス、サルペドンという息子を生ませた。
後の話だが、ミノスは、クレタ島の王になったという。
ところが、エウロペの兄のカドモスは、フェニキア王の命により、エウロペを探しに出る羽目に・・・・・
まあ~カドモスの話は。結構面白いのであるがそれはまたの機会に。
 
星座を思うとき今とても身近に感じるのは占星術
占星術自体の歴史は古く、星の運行と個人の運命を結びつける占星術は古代バビロニアに始まる。
それがどの様にして、ギリシャに入り星座と結びついたのであろう。
おそらくギリシャに入り込んだのは六世紀後半だろうと言われているのだが・・・・
これについては又、書くこともあるだろうと思う。
 
そういえば、枕草子に空の星々について書いていたのお思い出した。
清少納言枕草子の二百三十五段が良く知られていると言っていいのだろう。
星は
昴星(すばる)。牽牛(彦星 ひこぼし)。明星。長庚。流星をだになからましかば、まして(まいて)。
星はすばる、ひこぼし、宵の明星が良い。流れ星も少し趣がある。尾を引かなければもっとよいのだけれど・・・・というのだろう。
 
こんな時代にもう昴、何て星団知っていたとは・・・・・
昴って、星団なんだねえ~
 
 
参考文献
ギリシャ神話                  西村賀子                          中公新書
 
 
 
 
 
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