徒然の書

思い付くままを徒然に

花発けば風雨多し

春先から強風が吹き荒れることが多く、花を撮るものにとっては、まったくな邪魔者。

この頃は梅雨の所為もあって晴れ間はいくらもない。

ふと思い出した。

この世の中は花が咲けば、とかく風が多く、生きていくうちには別離が多い、

と歌った漢詩がある。

友と語るも酒、友との別離にも酒、何かと言うと酒を酌み交わし人生を楽しんでいたのだろう。

漢詩にはとかく飲酒に関するもの、別離に関するものが非常に多いが、

この詩もたしか勧酒と題した詩であったように記憶しているが果たして、

ただ作者は全く記憶の外・・・・

如何にも気になって仕方がないので、唐詩選の詩集を引っ張り出してみた。

案の定、勧酒と題する五言絶句。

友人との別離に際して、別れの杯を勧めながら作った詩とある。作者は于武陵。

 

君に勧む 金屈巵

満酌 辞するを須いず        ~須いずはもちいずと読む。

花発けば風雨多く

人生 別離足し       ~足しは多しと読む。

 

 

漢詩が気にいるいらないは、長々とうたった詩であっても、

ほんの数句が印象に残ると全体が好みになったような気になる。

特にこの詩のように五言絶句などは非常に簡潔で憶えやすく、

後の転結が心の中にすんなりとはいってくる。

花には風、人には別れ~とかくままならないのがこの世の中。

ずう~んと心に響くような気がしてくる。

 

それでは美酒を一杯、辞するを須いず。

 

因みに五言絶句とは

起・承・転・結の四句からなり、一句が五字の五言絶句と七字の七言絶句とがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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