青垣
やまとは くにのまほろば
たたなづく あをがき
やまごもれる やまとしうるはし
この歌を知ったのはもうずいぶん古い・・・・・確か高校生の頃ではなかったろうか・・・・・
八雲たつ 八雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
もう一つがこの倭は国のまほろば・・・・の詠
その時に読んだとされるのが四首あると言われるがのだが・・・・・
いずれにしてもこの故郷を思う歌を残して逝ってしまう。
古事記の歌謡に載せられている歌と言うのか詩と言うのか・・・・・
古事記は凡そ、物語ものであるが、物語に合わせる様に、詠が散らばって入っている。
青垣ってなんだろうと思って、ずうっと以前調べたことがあるのだが、こんな情景を目にできたら、撮ってみたいと思っていた。
因みに、青垣を広辞苑から抜き出すと・・・・・
垣の様にめぐっている緑の山を形容する語、と記された後、この歌が載っている。
だがこの幾重にも重なる青垣は何も倭に限ったことではない。
それぞれの人がそれぞれの国の美しさを目にして、詠えばこのようになるのが、我が国の自然の美しさなのであろう。
今の青垣のてっぺんには、無粋なものが林立してはいるが、青垣の美しさは格別である。
古事記にはカナ文字は使われていない。
漢字の羅列である。
とは言っても漢詩のように詠み難いのもではない。
夜麻登波 久尓能麻本呂婆
多多那豆久 阿袁加岐
夜麻碁母禮流 夜麻登志宇流波斯
とは言っても、その原本は存在しないと言われている。
印刷技術のなかった、我が国では長い間、原本を筆写することで、広まったのだが、何々本とか言った多くの写本が出回った。
原本と違ったものが随分と出回ったことだろう。
筆写時代の古い本を読んでいると、何々本と註の付いていることがよくある。
江戸に入って版木で印刷することが出来る様になるまで、専ら写本に頼っていた。
とは言っても、江戸の頃すべての書物が印刷に変わったわけではない。
まだまだ、筆写が行われていた。
古事記は物語中心だが、多くの歌謡が挿入されている。
これらの歌謡の多くは、民謡や俗謡であったのだろうが、物語に合わせて挿入された可能性が高い。
全部読んだわけではないのだが、高天原と言う言葉が随分と出てくるのは実に面白。
矢張り我が国は神代の国かなぁ~って、気がしてくる。
さてここで、東京は奥多摩で見る青垣を・・・・・・
この無粋な鉄塔、消そうかとも思ったが、今はそのまま残すことにした。
デジタルとは便利なもので、フィルムの頃には考えられもしなかった。
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